大人の恋。
 
 
 
■ ロマンチックなものが欲しくなって、若い女に電話をした。
 なんだか秋の雨である。
 人生が岬の外れであり、そこで向こう岸を眺めているけれど、勿論見える筈がない。
 などということを勝手に話した。
「大丈夫? 躯の具合悪いんじゃないの」
「んー。ともいえるな」